高収益部門を分社化することへのメリットは?

 会社の事業のうち、高収益部門を分社化することで、以下のような効果が期待できると考えられるでしょう。
(1) 高収益部門を後継者の会社に事業譲渡する場合
 後継者の会社の株価については、上昇することになりますが、オーナーが所有している会社の株価は低く評価することができると考えられています。
(2) 高収益部門を会社分割によって子会社化する場合
 新設子会社の株価は上昇することになりますが、親会社であるA社の株価については低く評価することが可能となります。

<解説>
(1) 高収益部門を後継者の会社に対して事業譲渡を行う場合
 後継者が新設会社を設立することになり、そこに、高収益部門である製造・販売部門を事業譲渡することになります。この事業譲渡によって、現在のA社と本業を行っている事業会社とは資本関係が分断されることになります。
 この結果、事業譲渡後は、後継者の会社の株価については上昇することになりますが、オーナーが所有している会社の株価は低く評価することができるでしょう。

(2) 高収益部門を会社分割によって子会社化する場合
 100パーセント子会社を新設を行うと同時に、高収益部門であります製造販売部門を、その子会社に移転することになります。この会社分割によって、現在のA社は、本業を行っている新設子会社の持株会社となるでしょう。
 この結果、新設子会社の株価は上昇することになりますが、親会社であるA社の株価については低く評価することが可能となります。